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「謎深き庭─龍安寺石庭」を巡る「五十五の推理」を紹介していきます。
謎解き庭 龍安寺石庭
先達の奇想天外

50「中国の金山寺と五台山」説

……日本僧が訪れた歴史的な名刹
50「中国の金山寺と五台山」説

 石組を中国の「金山寺」に見立てる説と、「五台山」に見立てる説がある。中国では古来、陰陽五行説の影響で泰山(東岳)・華山(西岳)・衡山(南岳)・恒山(北岳)・嵩山(中岳)の五岳を崇拝してきた。その五岳が、金山寺と五台山に姿を変えたことになる。

 

少し紛らわしいのは、金山寺から東南に約二百キロ離れた、浙江省杭州の天目山の東北峰にある大寺、「径山寺(きんざんじ)」である。中国に「きんざん」と発音する山には金山と径山があり、区別するために前者を「かね(金)きんざん」、後者を「こみち(小径)きんざん」と呼んだ。

 

径山寺は、唐の代宗の勅命により七六九年に建立され、臨済宗の大道場があった。そして、径山寺味噌の製法は、この寺から伝えられたものといわれる。しかし、径山寺味噌は「きんざんじみそ」と読むため、いつしか「金山寺味噌」と誤解されてしまった。

 

今日では、辞書を引くと、「金山寺味噌は、和歌山県、千葉県、静岡県等で生産されている味噌の一種。なめ味噌の一種。径山寺味噌とも書く」とある。まさに、主客が転倒したかたちである。

 

一。五岳、金山寺、五台山。石庭をどれに見立てるべきなのか?